モルタル外壁を塗装する前に知っておくべき下地処理と塗料選び
モルタル外壁は、日本の住宅によく見られる素材の一つで、セメントと砂、水を混ぜて仕上げた外壁は、重厚感や断熱性、耐火性に優れているとされています。しかしその反面、ひび割れやチョーキングなどの劣化が起こりやすく、塗装の際には適切な下地処理が欠かせません。
塗装前の下地状態を正確に把握することが、仕上がりの品質と塗膜の耐久性を左右します。よくあるモルタル外壁の劣化には、白い粉が浮き出るチョーキングや、細かいヘアクラック、深く大きな構造クラック、苔や藻の発生などがあり、これらを放置したまま塗装をすると塗料がしっかり定着せず、早期の剥がれに繋がるおそれがあります。
まず、ひび割れの補修が最優先事項です。髪の毛のように細いヘアクラックであれば、微弾性フィラーを塗ることで十分に補修可能ですが、構造クラックのように深く大きなひび割れには、エポキシ樹脂などの専用補修材を使い、しっかりと埋め戻し、耐久性を確保することが重要です。
また、モルタルは吸水性が高く、塗料をそのまま塗ると吸い込みが激しくなって塗膜の形成が不十分になるため、下塗りに使用するシーラーの選定も極めて重要です。シーラーには、下地に浸透して吸水を抑え、塗料との密着性を高める働きがあります。塗装に使用されるシーラーには水性、浸透性、微弾性タイプなどがあり、下地の状態に合わせて使い分けることが求められます。
サイディング外壁の塗り替え方法と塗料の相性
サイディング外壁は、工場で加工されたパネルを張り付けて仕上げる工法で、施工性やデザインの多様性から日本の戸建て住宅で広く使われています。この外壁素材は大きく「窯業系サイディング」と「金属系サイディング」に分かれ、それぞれに異なる特徴と注意点があるため、塗り替えの際は素材に応じた適切な下処理と塗料選びが求められます。
まず、窯業系サイディングはセメントをベースにしたボードで構成されており、耐火性や断熱性に優れる一方で、経年による反りやひび割れ、コーキングの劣化が発生しやすいという特性を持ちます。このため、塗装前には、外壁全体の高圧洗浄で付着した汚れや苔を除去し、目地のシーリング材が劣化している場合には必ず打ち替えを行います。さらに、吸水性を抑えるために浸透性の高いシーラーを下塗りに使用し、塗料との密着性を高めます。
一方、金属系サイディング(主にガルバリウム鋼板など)は、耐久性や軽量性に優れており、錆びにくい素材として人気がありますが、表面が滑らかで塗料が密着しにくい点がデメリットです。このため、下塗りには密着性の高いエポキシ系プライマーなど専用の下地材を使用し、適切な塗膜の定着を促します。また、サビが発生している場合には、ケレン作業によってしっかりとサビを除去する必要があります。
塗料の選定においては、窯業系にはシリコン塗料やラジカル制御型塗料が人気で、防水性と耐候性のバランスに優れています。金属系にはウレタン塗料やシリコン塗料が使用されることが多く、耐久性を保ちつつ、表面に柔軟性のある塗膜を形成できるため、日常的な膨張収縮にも対応できます。